短編「いっしょにフリーズ」

ぼくのお父さんは、よくパソコンの前で黙って座っている。
パソコンがきちんと仕事をしているか、監視しているんだという。
パソコンはちゃんと仕事をしてくれるし、終わってもどこにもいかないんだから、放っておいて、ほかのことをしたらいいのに、とぼくは言うんだけど、
お父さんはやっぱり、よくパソコンの前で黙って座っている。
パソコンの仕事が終わるのを、じーっと待っている。
ビデオの編集や、バックアップ、そんな時に、お父さんはじっとパソコンの前で足を組み、腕組みをして、紅茶かなんかを飲みながら、じっと座っている。
パソコンがフリーズしていたら、凍土のマンモスみたいに、そのままずーっとパソコンと一緒にフリーズしたままなんじゃないだろうか。
だから、ぼくはお母さんに相談したんだ。
お母さん、お父さんに最新の速いパソコンを買ってあげてよ。
そうしたら、お父さんがパソコンの前で座っている時間が短くなって、もう少し時間をゆういぎに使えるんじゃないかなって。
お母さんは、あごに手を当てて考え込んだ。
でも、重い処理を楽々こなせるパソコンを買ってあげたら、お父さんはもっと重い処理をパソコンにさせて、やっぱりその作業が終わるのを、ああやってじっと待っているんじゃないかしら。
ぼくは考えた。お父さんはやさしそうな顔をしているけれど、実は、どれいのようなものを持てば、ぎりぎりまでこき使う人間なのかって。
外で仕事をしている人は、みんなそうなのよ、とお母さんが言った。
この頃パートの仕事をはじめたお母さん、あなたもそうなのかなってぼくは思ったよ。


あとがき:
このブログに最後の投稿をしてから、2年以上。
月日の経つのは本当に早いもので、そのことを実感している今日この頃です。

サイト上部のブログの説明など、でたらめです。
毎月更新などと!
連載などできていません。
でも、心のどこかに、「作者でいたい」という気持ちはあるようで、たまにこんな駄文を書いています。

この頃、トイレに入る時に持って入っているのは、山川直人氏の漫画です。
『コーヒーもう一杯』や『地球の生活』『口笛小曲集』を読み直しました。
今は、『あかい他人』を読んでいます。
この短編は、その影響を、色濃く受けています。

それでは、また2年後(?)に・・・。


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2011年09月12日 | Comment(0) | TrackBack(0)
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