短編「いっしょにフリーズ」

ぼくのお父さんは、よくパソコンの前で黙って座っている。
パソコンがきちんと仕事をしているか、監視しているんだという。
パソコンはちゃんと仕事をしてくれるし、終わってもどこにもいかないんだから、放っておいて、ほかのことをしたらいいのに、とぼくは言うんだけど、
お父さんはやっぱり、よくパソコンの前で黙って座っている。
パソコンの仕事が終わるのを、じーっと待っている。
ビデオの編集や、バックアップ、そんな時に、お父さんはじっとパソコンの前で足を組み、腕組みをして、紅茶かなんかを飲みながら、じっと座っている。
パソコンがフリーズしていたら、凍土のマンモスみたいに、そのままずーっとパソコンと一緒にフリーズしたままなんじゃないだろうか。
だから、ぼくはお母さんに相談したんだ。
お母さん、お父さんに最新の速いパソコンを買ってあげてよ。
そうしたら、お父さんがパソコンの前で座っている時間が短くなって、もう少し時間をゆういぎに使えるんじゃないかなって。
お母さんは、あごに手を当てて考え込んだ。
でも、重い処理を楽々こなせるパソコンを買ってあげたら、お父さんはもっと重い処理をパソコンにさせて、やっぱりその作業が終わるのを、ああやってじっと待っているんじゃないかしら。
ぼくは考えた。お父さんはやさしそうな顔をしているけれど、実は、どれいのようなものを持てば、ぎりぎりまでこき使う人間なのかって。
外で仕事をしている人は、みんなそうなのよ、とお母さんが言った。
この頃パートの仕事をはじめたお母さん、あなたもそうなのかなってぼくは思ったよ。


あとがき:
このブログに最後の投稿をしてから、2年以上。
月日の経つのは本当に早いもので、そのことを実感している今日この頃です。

サイト上部のブログの説明など、でたらめです。
毎月更新などと!
連載などできていません。
でも、心のどこかに、「作者でいたい」という気持ちはあるようで、たまにこんな駄文を書いています。

この頃、トイレに入る時に持って入っているのは、山川直人氏の漫画です。
『コーヒーもう一杯』や『地球の生活』『口笛小曲集』を読み直しました。
今は、『あかい他人』を読んでいます。
この短編は、その影響を、色濃く受けています。

それでは、また2年後(?)に・・・。
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2011年09月12日 | Comment(0) | TrackBack(0)

実に1年・・・

実に1年以上、このブログを放置しておりました。
このブログサービスには放置60日以上たったブログには宣伝がトップに表示されるとかいう機能が加わったみたいなのですが、60日といわず、365日以上放置してるんですけど!!!(※この記事を投稿したらその広告は消えていると思います。)
いやー、時間がたつのって早い速い。

2007年10月にはじめたこの小説ブログ。
あの頃は僕は25歳になったばかりで、この年で何かをしなくちゃ、と焦っていた。
この頃はまだ仕事も講師で、つまりはアルバイトとか契約社員の域だった。
その翌月で、ブログは更新をやめる。
青井優子って結局誰だったんだろう?

翌年2008年の2月にRestart!とはじめたのだけれど・・・
過去に書いた短編『我が世界の背き』をアップして、またこのブログは沈黙した。
3月、正式に教職に就けることがわかる。
さらに新天地での仕事ということで、小説を書くことを忘れる。

そんな中、10月26日に知己から連絡がある。
一緒にプロジェクトで創作しないか?と。
それは、匂いに関する創作であり、BUMP OF CHICKENの『Present from you』へのトリビュートでもあった。

2009年3月の公開を目指しつつ、結局果たされなかったこのプロジェクトの「今現在」の過程がここにある。
DnDPicture01.jpg
ToKyO Top


教職というのはほんとうに多忙な仕事だけれど、心を亡くしたくはないな、と思う。
僕の場合、心の拠り所はやっぱり文章だと思う。
文章は、ブログでのひとりごとでも発表できるけれど、やっぱり小説という形での発表がいいと思う。
けれども、いろいろなものを小説にするには非常に労力が必要で、それをこなすだけの余裕とパワーが今の僕にはない。

この前、キャリア教育の一環で子どもたちの前で話す時、私の昔の夢は小説家だった、と語った。
昔の夢?と思いながら。

体力をつけたら、あるいは速記のような術を身に付けたら・・・。
そうすれば、二足のわらじも可能かもしれない。
けれど僕は凡人なので、二兎を追う者は、にしかならないと思う。

働きながら創作する者のあがきとして、このブログは存続し続け、プロジェクトも細々とながら、成長していくと思います。
どうぞ、見守っていただければ幸いです。
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2009年05月03日 | Comment(6) | TrackBack(0)

休載のお知らせ

諸事情につき(詳しくは久々投稿(登校はしている))、 しばらく更新をお休みさせて頂きます。
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2008年04月20日 | Comment(0) | TrackBack(0)

休載のお知らせ

作者多忙につき、3月25日の更新をお休みさせて頂きます。
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2008年03月25日 | Comment(0) | TrackBack(0)

『我が世界のそむき』(33枚)

 レンタルショップをひと巡りし、『マルコヴィッチの穴』をレジに持って行ったとき、店員はどうやらそのビデオを貸すことについては異論ないようだった。私は、ここにこうして金銭取引きをしにくるまでに迷いすぎたかもしれない。一通り新作を眺めてアダルト・コーナーに入ったときには苦くも他に客がいたし、その客はあからさまに私の存在に気を遣いすぎていた。そのせいでそこに並べられた裸体のひとつふたつを見逃してしまったかもしれない。私は棚を眺め、女たちがまだ手まねいてはいないことを確認し、SFコーナーに移った。それほど時間を食ったつもりはなかったのだ。そうだ、すべて私の挙動には特筆すべきところはなかったはずだ。レジの男はなんのおとがめもなしに私にビデオを貸してくれるはずだ。私が差し出したレンタルカードと50円引きクーポン券を男は手に取り、そのビデオを黒色のレンタルカバーに入れてくれた。どうやらここでは貸し出し点数に伴いカバーの色が違うらしい。今回私が借りるのは一作品だけで、それには黒色のレンタルカバーが付せられる。二作品だと灰色になる。それ以上は借りたことがないのでよく分からない。
 彼は会計をして、私に値段を伝えた。言葉遣いにはなんの違いもない。丁寧に、ビジネスライクにお代を放つ。しかしそれはレンタル二本分の値段だった。そもそもこの小さなレンタルショップは、この小さな町で周囲にライバルがないのをいいことに自由奔放な値段でビデオを貸し付けてくるのだ。私はおかしい、と思った。しかも、私はクーポン券を渡したはずだ。50円が引かれて然るべきだ。なぜそれは見過ごされ、二倍の値段で請求される?私はちらりとレジの機械に目をやった。クーポン券はそこに磁石で留められている。私の手前に置かれたレンタルカバーの色は黒色だった。そしてカバーに入れられ差し出されたビデオはひとつしかなかった。この店では一作品だと黒色になる。二作品だと灰色になる。二作品だと、灰色になるのだ。
 私は取り乱さなかった。私は波風立てないことにかけてきた。このまま私はうまく乗り切らなければならない。敗北を喫することは私の望むところではない。私は生き切らなければならない。この町で・私は・生き切らなければならない。
 私は財布を【冷静に】ほじくりまわし──私は普段から財布は慌てるように扱う癖がある、ここでもそれを忘れない──平静を保った。私は表情を力まず緩めずに保つ術を身につけている。だから相手に私の思っていることを悟られることはない。私は私の思うように思考を遊ぶが、それが他人に見透かされることはない。素晴らしい。完璧だ。
 私は言われた通りの値段を払ってやった。レジに立っている彼が、多少なりともにやりとすればこっちのもんだ。彼は自分の思ったことが私に見透かされたのを知るだろう。そして彼はさらに心を晒すだろう。憤慨し、見下されたように思うかもしれない。私に、だ。私は彼の感情の発露を眺めるという優位に少なくとも立てるわけだ。それは私にとっての小さな勝利になるだろう。少なからず、私の尊厳を認めることになるだろう。
 しかし彼は、まったくもって意に介さなかった。さも当然というふうに、私の小銭を受け取り、そしてさも当然というふうにおつりを手渡すのだった(そのおつりは正確そのものだった)。私は二倍の値段をふっ掛けられた上に、クーポン券を無視されたのだ。私のクーポン券は、圧倒的に、無視されてしまったのだ。そしてその仕打ちに対する私のあらゆる奮闘は、彼にとって【はじめからすべて無と同じようなもの】だったのだ。私はもう彼を見ることができなかった。私は一刻も早く、この店を出ることを自分に課した。そして私は何ごともなく、その店を出ることに成功した。

 行きたくなくても行かなければならないところはある。喉は渇き、ペニスは乾く。当然腹も減る。次に行くのはスーパーだ。この町の食堂、憩いの広場、台所。私はトイレットペーパーを買い物かごに入れ、卵、牛乳、肉といった消耗品をそれに続けた。ニンニク、大根、醤油、米が加わり、目に付いたクッキーと、粉末状のリゾットの素を手に取り、かごに入れた。私がそうして商品を手に取りかごに入れることを、誰も咎めるつもりはないらしかった。私はなるべく性急にことを済ませてしまいたかったが、幾分かの混雑で、それを予定通りに遂行することは困難に思えた。しかしベストは尽くした。レジに並んだとき私はほっとため息をついた。そして急いでそのため息を吸い込んだ。私が店に入る前からいた人々はまだ消費の間をうろつき、需要を眺めている。
 レジの女は私の知己の者だった。彼女は表情を少しこわばらせた。私は彼女を知っている。彼女も私を知っているだろう。彼女が慌てているのを、私は財布を片手に眺めていた。あるいは慌てるのはこの店の方針かもしれない。彼女を急かすはここの鬼店長、彼女はリストラ寸前のアルバイト人員、そして私の後ろに人妻らしきが並ぶ。彼女はいらいらしているようだった。そのように感情を見せる人間は私を安心させる。知己の女は私と目を合わさなかった。しかし私は彼女の悩みについて親しみと愛情を込めて想像することができた。彼女の家は貧乏で、弟と妹がおり、父は死に、恋人とは最近別れ、当然そこにあった約束も崩れ去り、今はもっぱら金を稼ぐことに集中している……彼女は私のかごにビニル袋を入れなかった。
 私は呆然とした。これだけの買い物を袋なしでどうやって持って帰れというのだろう?かごごと持って帰れるはずもない。
 トイレットペーパー、卵、牛乳、肉、それにニンニク、大根、醤油、米、クッキーの箱、リゾットの素。醤油は1リットルで、米の重さはたっぷり十キログラムだ。レジを通った後にある袋詰めのコーナーで、私はとりあえず卵をポケットに詰め込んでみる。フリースの胸ポケットと腰回りの左右二つのポケット、下に着ていたシャツの胸ポケット。どうにか九つは入ったが、残りのひとつが入らない。私は周囲の目を盗み牛乳パックを開けて一口飲み  慌てていたので顎に一筋流れ落ちる  、容量が減ったその中に卵を落とし入れた。そしてパックの口をしっかり閉じる。私は白くなっているだろう顎を手の平でひと拭きし、次に八個入りのトイレットペーパーを束ねているビニルの頂点に穴をあけ、そこからニンニクをばらばらにして落として行く。ふりかけのような袋に入ったリゾットの素をペーパーのビニルのまわりにうまく滑り込まして行く。隣に子ども連れがやって来る。じっと眺める子どもに私はクッキーを無言で手渡す。子どもは私からもらったことを親に言うだろうか?子どもが親に委ねようとする前に、私は姿を消しておかなければなるまい。あのくらいの子どもなら私を正確に描写できないかもしれない。親は「見知らぬ誰か」にもらったクッキーをいぶかしがるだろうが、それは私にもらったことに気付くよりは、はるかに程度の軽いものだろう。あるいは未開封のクッキーを帰りの車で開けてみて、一口食べ、あらいけるじゃないと息子たちにもしきりにすすめるやもしれない。そして言うだろう。「世の中には親切な人もいるものね。」
 さて、トイレットペーパーの袋と、横にできない牛乳を両の手に提げなければならない私は、大根と醤油と米と肉をさらに持つ必要がある。服の腹の中に何かを入れることは、卵のせいでできない。困った。どうしよう、と考え込む。
 腹は無理だが背中ならできると思い立ち、私は背を丸め米をかつぐ。大根と醤油は脇に抱えてなんとか行けないだろうか。肉は、そうだ口にくわえよう。
 出口まで歩く途中で二組の家族と一組のカップル、あと数人のシングルとすれ違う。そうしてスーパーを出る私を彼ら/彼女らはひそかにあざ笑うかもしれない。私にはこのように変な格好をしているのだという負い目があり、だからそのことを笑われているのだと信じ込むことができるだろう。私は彼らと対面し、下を向いて歩いた。笑い声は聞こえなかった。ひそひそと喋る声も聞こえなかった。
 スーパーの自動ドアを開けるとき、入ってきた女が一瞬表情を堅くしたように見えた。彼女は笑いすらしなかった。私のほうを見て顔をこわばらせただけだった。彼女は避けすらしなかった。彼女は私のそばを冷静に通りすぎていった。素晴らしい!彼ら/彼女らは完全に私をなきものとして扱えるのだ!
 私は大根と醤油をバズーカに見立てて彼ら/彼女らを破壊した。昔『ガンダム』というアニメーションの中に二刀砲の機体が出てきたが、私はそれを頭の中に思い浮かべながら何度も何度もトリガーを引いた。そのたびに視界が涙でゆがんだ。なぜ今日は我慢できなかった?あるいは口を塞がれているからかもしれない。何度も、何度も、何度も、何度も、ちくしょう、ちくしょう、畜生、畜笑!視界が曇るは粉塵煙る破壊の結果だ、私の発射で轟音が鳴り響く。
 誰も私を相手にしないし、誰も私に破壊されない。
 そんなことは分かっている。
 私はたぶん、どこにも存在していない。
 私がその破壊活動に飽きるまで、誰一人私を止めようとする者はいなかった。

 さびれた路地を曲がったところで立ち止まり、少し休憩した。日は山に隠れ、寒さが身に染みてきた。おかげで米を背負った腰がきんきんする。脇の下にかいた汗が醤油と大根を濡らしている。風が吹くとそこが寒い。あと少しだ、と自分を励まし、我が家に向かう。
 アパートは木造で、ぼろぼろだ。住んでいる部屋は二階にあり、私は階段に足をかけ一歩一歩登って行く。階段は急で、背中の米はバランスをとるのが難しい。あと数段というところで右足をひねり、私はしたたかに階段に顎と腹をぶつけ、牛乳が飛び散る、大根と醤油ががらんごろんと階段を駆け降りていった。私はしばらく痛みに耐える。やがてトイレットペーパーと牛乳と肉をひとまず置き、服の中の卵の様子を確かめる。ひねった足をかばって進み出た右半身、その代償は三つの卵だった。牛乳パックの中の卵も割れていた。白い液体の中に黄色い悪意が流れ出ているのを私は認めた。私は腹いせまぎれにフリースの右ポケットを引っ掴み、ぎゅっ、ぐちゅっと強く握った。私は卵の殻を乾いた骨のようにもろく潰すことができた。私は卵を乾いた骨のようにもろく潰すことができるのだ。
 ひとまず階段に残った荷物を部屋に入れ、生き残った卵を冷蔵庫にしまうと用心深く階段を降り、大根と醤油の救出に向かう。大根は二つに割れ、道路に転がっていた。そして冥福を祈るはその片割れが粉々に砕けていたことだ。おそらくなにかに轢かれたのだろう。私はそれを料理に使えるか子細に調べてみたが、どうやら難しいようだった。踏みつけられた大根には鉄サビが見られた。私はそれを食べる気にはなれなかった。
 醤油の姿が見えず、私はけんけんをしながら辺りを散策し、やがてドブに落ち込んだと結論づけた。私はドブに沿って足を引きずりながら歩き、途中の鉄柵に醤油が引っかかっているのを見出した。私は腹ばいになり  また右ポケットで卵が砕ける悪意が滲み出る  醤油をドブから拾い上げた。損傷はなく、ドブ水を飲んだあとも見受けられなかった。不幸中の幸いだろう。私は今来た道をびっこをひきひき戻るのだった。
 アパートの廊下で同じ階の住人とすれ違う。背が高く、髪の長い男だ。着替えを手に風呂へでも向かうのだろう。彼はいつもと同じように、私の横を満腹になった猫のようにまったくおかまいなしに通り抜けていった。私は郵便受けを確認せずに部屋に入った。そんなもの確認しなくても、中に何かが入っているということはないからだ。大したもんだ、と私は思う。ダイレクトメールさえ私には届かない。
 鏡を見ると私の顎は赤く腫れていたが、目立った傷が残っているわけではなさそうだった。血も流れていない。足首は水で冷やし、タオルを巻いておく。明後日あたりにはたぶん回復していることだろう。
 私はフリースを脱ぎ、ポケットを裏返して中のものを生ゴミに開け、洗濯機に放り込んで夕食の準備に取り掛かる。鍋に湯を沸かし、出がけにセットしておいた米をそこに入れ、リゾットの素をあわせて煮立てた。牛乳の中の悪意をスプーンで掬い出す。昨日の残りのピーマンを半分に切り、中の種を流しに落とす。種は芽吹くことはなく、私の精子紙と共に焼かれるだろう。切ったピーマンはキャベツと一緒に電子レンジにかけ、温野菜にする。それにマヨネーズをかければ口に運ぶ。顎がひりひりしている。私は生きている。
 借りてきたビデオをデッキにセットし、さて映画の幕開けだ。2時間の逃避行、単なる気晴らし。冷蔵庫からビールを取り出し口をつける。私は頬髭の一本を爪でつまみ、引っこ抜き、それを手の甲にのせて眺めることを繰り返しながら2時間を過ごした。映画が終わる頃には両頬がかなりきれいに整地された。

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 その日起きた時間は、私にとっては早いほうだった。休日にしては上出来だ。一日が長いぞやれ嬉し。さらに快晴ときている。太陽の光が風景の陰影をくっきりと描いていた。今日はまれに見る幸福な日和と言えるだろう。
 寒いが、こういう日を布団の中でいつまでもごろごろ過ごしてしまうのはもったいない。私は歯を磨き、顔を洗い、冷凍してある食パンをオーブンにかけ、カップに水を汲みレンジにかけ、服を着替えた。
 音楽をかけよう。ニルヴァーナ。速いテンポに首を振りながらさっさと朝食を済ませる。今日はどこへ行こう。あの工事現場。あの生い茂った池のほとり。向こうの山道。そしてそこにはどの音楽を持って出掛けよう。
 突然ドアが打ち鳴らされた。どんどんどんとドアが震え、振動した。それは誰か人間がドアを叩いている音だった。キツツキはもっと軽やかにつつき、熊はもっと鈍重に叩く。私は立ち上がり、目を伏せ、無言でドアを開けた。ドアの外には背が高く黒い長髪をもつ住人が立っているらしかった。住人を確認するために、私は足下から上へと目を這わせていった。住人は私が顔を上げるのを待ち、そして私と目を合わせるとはにかむようにぱっと顔を明るくした。
「あのさあ、確認したいんですけど、あなた****さんだよね。表札に書いてある名前通りの人だよね。****はあなたのことですよね?」
 私はどう答えてよいのか過去の記憶を引き出した。こういうとき、私は何と答えていたのだろう?なぜこの男はそれを確認したがっているのだろう?昨日映画を観たじゃないか、あのように行動すればいいんだよ。人間はあのようにコミュニケーションする。しかし、映画については特に何も思い出せなかった。ならば、昔、これと同じようなシチュエーションがあった。ぼく、**さんのお宅のお子さんだよね?お母さんかお父さんいるかな?しかしこの男は両親ではなく私を訪ね、私を確認しているのだ。
「はいそうですが」
 私はなるべくはっきりと、透る声でそう答えた。住人は、やっぱり、と軽く頷いて見せた。それは私に対して頷いているのか?君は誰のために頷いているのか?
「感激です。」
 住人は頬を引き上げ、顔にしわを寄せて笑って見せた。
「握手してかまいませんか?ああ、ありがとうございます。あと、これ、この紙にサインを……あの、おこがましいとは思いますが、お願いできませんか?はいこれ、このペンで……そうです、僕の名前……僕の名前は佐々木勇太です、さ・さ・き・ゆ・う・た、なんでもいいです、ひらがなでいいです。ありがとうございます。ああ、感激だなあ、ほんとう、ありがとうございます。」
 住人はそう言って何度もお辞儀をした。何度も何度もお辞儀をして去っていった。私は口をつぐんではいたが半ば放心状態、あっけにとられ、口をぽっかり開けている漫画のキャラクターを顎の辺りに感じていた。顎の痛みはもうなくなっている。足からも痛みは去っていた。
 外が騒がしくなってくるのが感じられた。何台もの車が止まる音。どやどやと足音が押し寄せてきて、それがすべて私の部屋の前に集まってきた。またドアが打ち鳴らされる。私は再びドアを開ける。
 何度もフラッシュがたかれ、シャッターが切られる音が間断なく響いた。私の前にマイクが並べられ、記者たちが聞き取れないほど質問をまくしたててきた。私は口をつぐんだまま顔を引きつらせていただろう。何を言っているのか聞き取れない。マイクが勢い余って私の歯に押し当てられた。消毒の匂いがし、私は思わず口を開けてうえっと言った。
 そこからどこをどうして連れ出されたか分からず、ただ混乱のうちに私は黒塗りのハイヤーに乗り、そこにはテレビで見たことがある女優が足を組んで座っていた。女優がグラスをすすめるので手に取ると甘いアルコールの香りがした。女優が知らない酒の名前を言った。私は女優の顔を一瞥し、その女優がにっこりと笑うのを見てグラスを一気に傾けた。私は目をしばたかせた。
 かなり長いこと乗っていたと思う。その間、女優は私とトランプ・ゲームをやり続けた。私はだんだんとリラックスしてきて、酒の味もなんとなく分かるようになってきた。なかなか上品な味だな、と舌の上で液体を転がしてみる。はじめの一杯は緊張していて味なんて感じられなかった。
 着いたところはかなりの広場で、そこを人だかりが埋め尽くしていた。冬の穏やかな日光が照らし出し、人々は鮮やかな色彩をもって私の目に映っていた。私は拍手と喝さいによって迎え入れられた。私に触れようとする人たちを、警官隊が押しとどめた。あまりにひどい人間には、容赦なく棍棒が降り降ろされた。女優が前に立ち、こっちよ、というふうに導いた。女優が着ていた白地のドレスは、日の光に当たるとなお輝いて見えた。人々の垣根を縫い、私はひとり広場の中央に設置された舞台の上に放り出された。誰かがマイクで何かを喋った。人々の叫び声が聞こえた。足取りがぎくしゃくとするのはなにもねんざのせいだけではない。私は見せ物になっている。
 舞台の上にはピアノとキャンバスらしきものが置かれてあった。そのふたつが群衆のまっただ中に設置されていることの意味を、私はうまく見出すことができなかった。ただ、私がそこに連れていかれ、そこに取り残された今、そして叫びにも似た拍手喝采と、時折静かになるそのほうぼうの人だかりの渦の中、私がなにをすべきかはもう決められているような気がした。
 私は求められるままにピアノの椅子に座った。どよめき、とまどい、渇きが人々から私に流れ込み、私は試しに「ド」と音を鳴らしてみた。周囲がしんとなった。
 私は睨みつけられるような視線の真ん中にいた。だれ一人として私を見ていないものはいなかった。私からも、また彼ら彼女らからも点のようにしか見えない距離を越えても、見たい聴きたいという欲望が匂うようだった。私は怖くなってきた。四方八方から向けられる銃弾のような視線にからめとられ、私はちりぢりになってしまうのではないか、向こうからやってくる一方的な暴力に、私は逆向きに引き裂かれてしまう……。そんな恐怖に襲われはじめた。
 私の手は震えていた。確かに昔ピアノを習ったことはあった。しかしそれはバイエルンを終えた程度のものだ。私の頭の中には「ねこふんじゃった」くらいしか思い浮かんでいなかった。ピアノに触れたのは何年ぶりだ?人前で演奏するのは?
 人々が圧倒的な興味と関心のうねりで私に迫ってくるように感じた。私はどうすればいいのか分からない。車に乗っていた女優は舞台の下で私を見守っている。私はその女優に助けを求めようとしばらく眺めてみたが、女優は私をじっと見返すだけで何ひとつ反応を返さない。私はこの場所で、何をしようとただ圧倒的な好意や興味や好奇心に受け入れられてしまう。
 私はもう一度「ド」と鳴らしてみた。周囲から拍手が起こった。私の頭の中には「ねこふんじゃった」しかないのだ。どうすればいいのか?答えはひとつだ。それを演奏するしかあるまい。
 私は「ねこふんじゃった」を演奏し、そして時々間違えた。手を交差するところなど、もうまったくもって曲になっていなかった。一度、演奏そのものが止まった。私はつくろうようにやり直した。そうして、私のゆっくりとした「ねこふんじゃった」は終演を迎えた。
 しばらく沈黙があった。それだけの人間が押し黙っているのを、私はかつて見たことがない。まるで舞台の上の空気がすべて人々に吸い取られてしまうかのような錯覚に陥った。私は窒息する、と思った。その瞬間、どっと風が吹き込んでくるように拍手が沸き起こった。人々は両手を我先にと上げて拍手を繰り返した。それは肌色のチューリップが咲き誇ったかのように見えた。私は周囲に向かって微笑みかけてみた。女優が涙ぐんでいるのが見受けられた。しばらく拍手は鳴り止まなかった。
 また誰かがマイクで何か言った。私にはそれが何を言っているのか、何を意味しているのかさっぱりわからなかった。パレットと筆とが私に手渡され、キャンバスが舞台中央に移動させられた。キャンバスは油絵用のものらしかった。私は油絵など描いたことがない。小学生の写生大会の日、私は水彩絵の具を使って池と白鳥を描いた。ただ塗り潰しただけのものすごく明るい色の池に、真っ白の絵の具で大きく描いた白鳥が私にとっては大傑作だった。品評が済まされ、教室の後ろに飾られた私の絵には星はひとつもついていなかったが、私は得意げにその絵を休み時間のたびにちらちらと眺めたものだ。油性の絵の具だから、ペンキのようなものだろうか?
 私はあの時の白鳥の絵を再現することにした。背景を明るい緑色に塗ろうとして、絵の具が案外と伸びないことに気付いた。私はなるべく多くの絵の具を筆に含ませ、それでキャンバスをすべて緑色にしようとがんばった。それは途方もない作業に思えた。私はこのようにちまちまと作業をして延々舞台の上にとどまりたくはなかったし、この観客たちもそう長くここに立ち続けるのを望まないのではないだろうか。私はちらと辺りを見渡した。舞台の隅に、幾つかの絵描き道具が用意されてあるのを見た。私はその中のはけのようなものを手に取り、キャンバスに絵の具を直接出し、それを塗りたくるようにして伸ばしていった。そしてそれが終わると、その上に白い絵の具で白鳥の形を描いた。絵の具の上にのせた絵の具は混じり合い、やがて何かの植物に見えはじめた。白鳥の首が、何かの萌芽を思わせるようだ。油絵の具は太陽に反射してきらきらと輝くようだった。
 私が筆を置いたとき、周囲から小さく、しかし親密な拍手が聞こえてくるのがわかった。誰も何も口にはしないようだった。ただ、ため息のような静かな感嘆とともに、高級西洋料理店で食事をするときのように極力音を立てず、しかしその食事に感謝をするように、拍手をしたのだった。私は小学生の頃に戻っていた。そうだ、あの絵には受賞すべきいくつもの秀でた点があった。なぜ私の作品は見過ごされた?
 拍手をしながら政治家のようなスーツの男が壇上に昇ってきた。私はそれが誰かを知らない。例え首相であっても、選挙と縁のない私には興味の外にある存在だった。私はその男と握手を交わした。相手が手を差し伸べてきたからだ。報道陣が組まれ、フラッシュがたかれた。それが終わると男は私から一歩後ずさり、もう一度盛大な拍手を、というふうにして手を上げ打ち鳴らした。人々はわっと声を上げ、手を叩き合わせた。私は感極まってお辞儀をした。人々が拍手を強め、一部では叫び声を上げながら飛び跳ねる人々が見えた。私は拍手に酔いしれていた。しかしすぐに、思い出したように舞台から逃れた。

 それから私は女優に連れられてかなり豪華な屋敷を訪ね、そこで見たことも聞いたこともないような料理を何種類も食べた。少し箸をつけるたびに味を聞かれ、答えると次々と皿が変わっていった。
 それが終わると何人もの記者が私を訪れ、午前中にあった演奏について、あの絵について、今日の服装についてなどの質問をされた。名刺をいくつももらった。多すぎて把握できなかった。演奏については生録音のCDを出したい、と言われて私は一度断った。しかしその熱意に負けて、結局はCDの販売を許可してしまった。あの演奏の楽譜のゲラ原稿を見てくれ、と持ってきた男もいた。彼もそれを販売したがっているようだった。私はためしにその楽譜を眺め、はじめの「ド」の音から間違った音、そして一時の演奏中断が休符としてそこに書き込まれているのを認めるのだった。そしてまた熱意に負けて、私はその楽譜の販売を許可してしまうのだった。というか、私には販売ということの意味が、よくわかっていなかったのだと思う。
 部屋の中にレンタルされたビデオがあった、と言ってきた記者もいた。私は自分の部屋を他人に覗かれたということを不快に思い、少しむっとした。記者は映画の感想を聞いた。私はよく覚えていないと答えた。何かあるでしょう、何か、と記者は喰らいついた。何か、素晴らしかったような気がします、と私は答えた。私はほんとうにその映画を覚えていなかったのだし、人に感想を言うために何かを見たこともないのだ。
 それから街のアーケードをパレードした。私はその丁度真ん中を歩かされているようだった。サンバを踊る女たち、演奏隊、花びらを撒き、また芸を披露しながら歩く道化師たち。私は沿道から眺める人々の服装を見て驚いた。彼ら、彼女らはすべて、今日の私の服装をそのまま真似していた。私は青いジャンパーを着て、ズボンは茶色のコールテン、シューズはナイキのスニーカーだったが、人々はそれをほとんどそのまま真似しているようだった。青い羽織り、茶色のズボン、スニーカー。人々は私に向かって笑いかけ、私はそのたびに人々に向かって笑いを返してみた。人々は手を振り、私の名前を呼んだ。私は手を振り、名前が呼ばれるとそちらのほうにも手を振った。パレードはかなりゆっくりと歩みを進めた。飽きることなく人々は集っていた。
 夜、私ははじめて女を抱いた。一日私を連れ回した女優はふくよかな手足を持つ心地良い女だった。彼女の手ほどきで、私は射精に導かれた。私はホテルのスウィートルームで思うままに何度も彼女を求めた。
 もう精根尽き果てた、というところでドアがノックされた。黒いスーツにあざやかなダークブルーのネクタイをした男が入ってきて、そろそろお帰りになられる時間です、とのことだった。私は服を着て、ハイヤーに乗った。

 次の日の朝、郵便受けの中にはぎっしりと手紙が詰まっていた。それはあふれ出し、いくつもの紙袋に入れられて廊下に続いていた。向かいから背の高い長髪の男が歩いてくるのが分かった。そして男が案の定私の脇を無言で通りすぎていったとき、私は手紙の消印を見つめていた。
 私はその日の新聞をコンビニで買って読んだ。私のことについて書くために、いくつものページが割かれていた。「尊敬すべき巨匠が」「白昼のパレード」「沈黙の音楽」「大胆な芸術」すべて好意的で肯定した書き方だった。私は自分について書かれてある記事を切り抜き、それらをすべてスクラップした。ついでに映画『マルコヴィッチの穴』のレンタル・売り上げの大激増についての記事もスクラップしておいた。

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 新聞を買いに出たとき、人々は私に見向きもしなかった。私はまた影になってしまったのだ。この町の、人々の、建物の。彼に、彼女に密接に関係し、地続きになっているが、誰も私にかまったりはしない。日なたに出るときにいちいち私に「ついてくるな」と言う人はいない。誰も影について語る者はいない。
 それから何日間か、私の郵便受けに手紙が届けられた。消印を見るたびに、それはすべてあの日のものだと確認できた。届く手紙の差出し場所はだんだん遠くなっていき、やがて絶えた。
 私はうつろに手紙の内容を眺めた。すべてに好意が溢れ、尊敬を引け目もなくあらわにしたものばかりだった。私は手紙を読むたびに心を暖めた。それはこの世界からの手紙ではなく、もうひとつ違った世界から送られてきた手紙なのだというふうに考えた。私を歓迎してくれる世界がどこかにあり、その世界は私に熱烈なエールを送っている。たぶん、おそらく、そのような世界は存在する。夢じゃない。その世界からこうして手紙が送られてくるし、新聞に、そしてやがて発売されるであろう雑誌には、あちら側の世界の私について、書き記されている。
 やがてある日の朝、私は冷蔵庫の中身が底を尽きたことを知り、あるいはビデオの返却期限が過ぎていることを知るだろう。私は財布を片手に外へ出る。誰も私の存在を気にしない。けれども私の家にはいくつもの袋に入れられた、誰に聞いてもいっさい覚えのない手紙の山がある。
 コンクリートの広場で子どもたちが影踏みをやっている。彼らは必死に影を見つめ、影を追いかけ、影を踏みつけ自分のものにしようと躍起になっている。影は踊り、逃れ、はしゃいでいる。やがて彼らは影踏みに飽き、影がそこにあったことさえ忘れてどこかへ走り去っていく。コンクリートの広場から影はなくなり、ただただ日の光が降り注ぐようになる。木造のぼろアパートの管理人が、大量の手紙が入ったゴミ袋をせっせと運ぶ。ゴミ収集車がやってきて、ごうんごうんとそれを飲み込む。やがて夜になり、世界がぜんたい、影になった。(33枚)
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2008年02月25日 | Comment(4) | TrackBack(0)

Restart!

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このブログを再スタートさせることになりました。

長編を作ろうとしたところに無理があったのかな、という反省のもと、以下のことを変更してのリスタートです。

*題名について
題名を、
"小説『にじゅうごぺすとりぃ』"
から、
"短編小説ブログ『にじゅうごぺすとりぃ』"
に変更しました。

*今までのテキストなどについて
今までのテキストは、「小規模な僕の失敗」として、訂正線をいれた状態で残しておこうと思います。そのうち何かの役に立つかも知れませんし。
予告編と登場人物表はにじゅうごぺすとりぃに置いてあります。

*「執筆についての思考」追加
小説を書くことってなんだろう。
そういう疑問自体、解決していません。
また、ブログで小説を公開していくということについて記録することも、後世の人たちに何かしら益するところがあるかもしれない。
という思いで、執筆に関することもちらほら書こうと思っています。

ブログという形式にこだわる理由は、
・記事という単位で扱えるということ
・コメントがあること
・トラックバックがあること
といったメリットを考えてのことです。
以前からホームページで作品を公開される方は多くおられたと思います。
ゆくゆくはそういう形でまとめることになるかもしれませんが、とりあえずはインディーズ作家が世間に小説テキストを公開する場として、このブログを運営していこうと考えています。

そのような奇特な遊戯につきあってもよいという方、これからどうぞよろしくお願いいたします。
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2008年02月24日 | Comment(0) | TrackBack(0)

読み方についてのアドバイス

ウィンドウと文字の大きさについて
どのくらいの文字数で行を折り返したらいいのかについては個人差があると思われます。
このブログでは、ウィンドウの大きさに合わせてテキストが折り返されるようになっていますので、新聞のような激しい改行で読みたい場合は、お使いのブラウザのウィンドウの幅を狭めてご覧ください。
逆に、単行本のような長い文字列で読んでいきたい方は、ブラウザのウィンドウ幅を広げてご覧ください。
文字については読みやすい大きさがあるかと思います。ブラウザの文字拡大/縮小ボタンで調節してご覧ください。

続けて読むには
カテゴリーの「短編小説」をクリックすると、投稿された順番ではじめから一気に読むことができます。小説のみをお楽しみいただきたいときにご活用ください。
「月別で順番に読む」では、月ごとで、書いた順番に記事を読むことができるようになっています。こちらのほうは、「執筆についての思考」「運営ノート」、その他さまざまなコンテンツを、小説とあわせて時系列でお楽しみいただけます。ご活用ください。

コメント(感想)について
自由に、気ままに、遠慮なく足跡をつけていってあげてください。
「10点」などだけでもけっこうです。
「荒し」と「関係のない商業活動」以外は、どんなに辛辣な批判も受け入れるつもりです。

トラックバックについて
もしこの小説のワンシーンから、あるいは登場人物からインスピレーションが湧き、自分もふとブログに小説を書いてみたくなったようなときなど、引用したよというしるしに、トリビュートやインスピレーションの知らせに、トラックバックしてくださると嬉しいです。
あるいは作品についての批評をなされた場合も、トラックバックしてくださると嬉しいです。
なんらかの形で原文が昇華されている限り、引用は許可されています。

文字化け・不具合などありましたら、コメント欄にてお知らせ願えたらと思います。
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謝辞

この短編小説ブログを運営するために、以下のサイト・サービス・ソフト・ハード等にお世話になっています。
この場を借りて、感謝の意を表したいと思います。

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まず、このようなブログを公開させて頂いているSeeSaa様に感謝したい。

HTML、スタイルシートの手変更作業については、とほほのWWW入門を参考にさせていただいた。
この優秀な辞書がなければ5倍以上の時間がかかっていたに違いない。

また、500kb以上のファイルの無料アップロード&ホストを許してくれているGeocities様にも感謝の意を表したい。

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サポートサイトにじゅうごぺすとりぃを置かせていただいているFC2様にも感謝の意を表したい。
以前頓挫した長編のほうの予告編などは、こちらのサポートサイトで見られるようになっている。

これらのツールを統合し、まとめあげてくれるのは我がMacintosh/iBookG4である。
この優秀な助手には、感謝の意は言わずもがなであろう。

最後に、このブログ小説を読んでくださった、あるいは読んで下さるであろう読者の方々へ。
貴重な時間をありがとう。
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Reloading。

reloading.jpg
このブログ小説ですが、いろいろと考えているうちに、昨年11月25日に最後の更新をしたままストップしてしまいました。
ということで、ただいま再スタートするために、「リロード」中です。
再びこの試みを僕自身の中にロードして、何が必要で何が必要ないのか、何が間違っていたのか、何が足りなかったか、などを検証しています。

このサイトの更新を楽しみにされていた(奇特な)みなさま、しばらくお待ちください。
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2008年02月03日 | Comment(0) | TrackBack(0)

#2-2 about青井優子2

FMラジオ252.5MHz。天気予報のあと、いつもの番組がはじまる。休日のヒットチャート。中高生たちがハガキやメールでリクエストを寄せる。リクエストが多いもの、メッセージに光るものがあれば、リクエストは採用され、歌がラジオから流れるわけだ。誰の歌だ?ラジオの前で聞き耳をたてている人物がいる。窓の外は休日の秋の空で、人々が襟首を立て、寒そうに目を細めながら歩いている。


 あれ、あれ、あれれれ、あれっ?!
 あれ、あれ、あれれれ、あれぇっ?!
 そろそろそぞろ ママは手荒れの季節
 娘はモアレで 座れあれとれ去れアわレ
 天気はそろそろ荒れ模様
 あれ、あれ、あれれれ、あれっ?!
 あれ、あれ、あれれれ、あれぇっ?!あれぇっ?!あれぇっ?!あれぇっ?!あれぇっ?!

 あれぇっ?!

 あれぇっ?!

 あれぇっ?!

 あれぇっ?!
   (Rainbow5『変な挿入歌』より)


 老衰いくばくか経ち、暇つぶしにいくつかの物語を語ってみようと思った程度のことである。
 まさか、この世界がこんなにも不思議で、意味がわからない場所だとは知らなかった。
 複雑で、とらえどころがなくて、まだまだまだまだ彼方へ端が見えない無限の際限ない世界、そんな言葉で言ってみたって、やっぱり語ろうとしたときに立ちすくむ、この不安や憎悪、そして希望は、今までになかったものだ。
 死にゆく私の枕元に、「Rainbow5」というアーティストが届けた歌は、そんな歌だった。(7-2)

   †

 いつか歌ってみたいんだ。
 人の人生を変えちゃうような、影響しちゃうような歌。
 その歌に触れたらやけどしちゃうようなカンカクを沸騰させるような。
 もちろん、現実にはそれは難しいこと。
 日常生活にどっぷり浸かっている人のカンカクを揺さぶるのは、ちょっとやそっとでできることじゃない。
 人の心を動かすことは難しい。みんなの心を動かすのも難しい。
 だけど、たった一人の心だとしても、動くことを求めて歌を作る。歌を歌う。
 怖いけどね!(雑誌On-goku-07年11月号『新生Rainbow5、新たなメンバーに迫る!』より)(22-3)

   ♪

2007年1月17日
「ブログ、はじまりました!」 テーマ:日記 posted by B&M
 ブログをはじめてみました。
 高校の頃にはじめたホームページよりも簡単だ。
 そのホームページ時代の熱心な読者たちもいる。
 現実のつき合いよりは、こちらのほうが、ラクだ。
 笑顔でいることは、できる。でも、私は現実の人たちを前にすると、言葉が、出てこなくなる。
 文章に書くのならできる。他人のホームページに書き込みをするときなどは本当にどきどきする。
 昔書いた未熟な小説たち。ホームページの奥底で眠っている。


   ・
   ・
   ・

2007年7月8日
「躁鬱」 テーマ:日記 posted by B&M
 この頃気分の浮き沈みが激しい。
 根本的に生活を入れ替えなければ、製作には取り掛かれないか。
 どうすれば作れるのだろう?
 仕事をはじめてまだ数ヶ月。
 慣れていかなければ?
 仕事をしながら作ってはいかれないのか・・・
 学生時代にそんなシステム、作れなかったぞ!


   ・
   ・
   ・

2007年10月14日
「買った本について」 テーマ:読書 posted by B&M
 ブックオフに行って来ました!
 あそこの店員さんは、いっつも声をはりあげていて、えらいなー、と思います。

今日買った本のリスト:
『良心の自由と子どもたち』
『ゆとり教育から個性浪費社会へ』
『子どもたちはなぜキレるのか』(このあたりはお決まりの教育関係)
『決断力』
『ドキュメント「超」サラリーマン』
『ザ・スタンド5』(キングの『小説作法』に載っていた本を発見!!)
『人は見た目が9割』
『悪の対話術』
『コミュニケーション力』
『会話を楽しむ』
『<対話>のない社会』
『これをダジャレで言えますか?』(わたしは口下手なの。勉強、勉強。)
『ヴァインランド』(安かったのでついに!)
『奇跡も語るものがいなければ』(はじめの数ページでベタ惚れ!)
『ナンバー9ドリーム』(村上春樹の影響を受けた作家なんですって。)
『サリンジャーをつかまえて』
『翻訳家の仕事』
『あなたの世間体』(なんで100円なの?買います、買います!)
『仔猫のスープ』(表題作だけは立ち読みしました。)
『南瓜とマヨネーズ』(なにこのタイトル。)
『経験を盗め』
『私はヒロシマ、ナガサキに原爆を投下した』
『現代たばこ戦争』
『取材学』
『物語フィリピンの歴史』
『物語アイルランドの歴史』
『ロボット入門』
『iPhone衝撃のビジネスモデル』(あれ、すごいわよね!早くどこか採用してくれないかしら。)

『ワールズ・エンド』もあったんだけど、結局買いませんでした。だって、もうすぐ文庫で出そうなんだもん。

 いつもながら、大量に買い込みました。
 いくつかは期待通りで、
 いくつかは期待していたのとは別のことをもたらしてくれるはずです。(でも、何かしら新しいことは得られるもので。)
 本当に、愚にもつかないダメな本はなかなか出会えません。
 本当に素晴らしい、お墓に持って行きたいような本と出会うのと同じくらいの確率。

 今日はいつもの喫茶店には行かなかった。
 どこへ行っていたかは・・・秘密です(笑)
(2-2)

   ◆

 彼女のハンドルネームがなぜB&Mというかということについて、知っている人はそう多くはいない。
 それは、彼女の本名、「青井優子」に由来するものだから、彼女はウェブ上でそれについて深くは語らない。
 B&M=Blue&Mild。
 青く、そして優しい。(25-2)

   ▽

2007年11月11日
「『恋空』」 テーマ:映画 posted by B&M
 久々に映画館に行って、映画を観た。『恋空』。
 小説も話題になっていたし、Mステで見た桜井さんの『旅立ちの唄』がよかったのもあって。
 あの、桜井さんが手の平を押し出しながら歌うところ。
 グッときました。

 映画館は中学生くらいの女の子たちが多くて、それに混じって高校生の男の子集団がわいわいやってたりしました。
 でも、映画がはじまるとしーんとなって、中盤にさしかかるとしくしく、としゃくりあげる声が聞こえてきたりして。
 わたしは白鳥のシーンかな。やっぱりあそこは大泣きしてしまった。
 今でもこれを書きながら、思い出すと、目がうるうるとなってしまいます。
 なんであんなにあたたかいシーンが作れたのだろう。

 昔書いた『手首の中の』という小説を思い出しました。
 大学の頃の小説です。
 あの頃はそういうことを考えていた。
 弱かった。
 今は大丈夫です。
(ところでこの頃はPDFという形で綺麗にレイアウトしてダウンロードできたりするみたいです。やっぱりどうしてもhtmlだと難しいところも、こだわれるらしい。いいなぁ。)

 新垣結衣さんはすごく演技がうまいですね。
 声がちょっと弱々しいですが、そこがまたこの映画にマッチしていました。
 相手役の男の子はドラマ『14歳の母』の男の子でした。

 どちらも主人公が妊娠します。
 少子化だから、妊娠ってすごく大切なことだと思う。
 わたしもいつか、子どもを産むんだろうか。
 そんな器がこのお腹にあるのだろうか?


   ・
   ・
   ・

2007年11月12日
「『手首の中の』PDF版!」 テーマ:創作 posted by B&M
 昨日PDFについて書いたら、おコメさんが協力してくださり、きれいなPDFファイルにすることができました!

 『手首の中の』PDF版(575KB)
 (そのままクリックすると見れないようです。ダウンロードしてプレビューで開くと見れると思います。)

 今のマックOSでもPDF化はできるらしく、でも詳細情報のところで個人情報が見えてしまうらしいです。
 それで、おコメさんのLeopardとメールでやりとりして、見事安全なPDFファイルにしていただきました。
 おコメさん、ありがとうございました!
 わたしもお金を貯めて、新しいMacBookを買うぞー。おー。


   ・
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2007年11月16日
「『HOME Tour 2007』DVD」 テーマ:音楽 posted by B&M
 か、か、買ってしまった。
 そんなに余裕はない。
 けれど、買ってしまった。
 3日間、迷って迷って迷って手に入れた。
 しばらく耽溺します。
 ぶくぶくぶく・・・。
(2-3)
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2007年11月25日 | Comment(0) | TrackBack(0)

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